コラム:ジュウオウジャーで考える移民規制

トランプ大統領が発表した移民規制の大統領令は未だ大きな波紋を呼んでいます。

 

 この大統領令を支持する声が反対派を上まっているというデータがあるように、自分たちの安全を守るためなら、他の文化を排除するのも致し方なし・・・というのは今の世界の主流になっているのかもしれません。


 確かに自分と異なる文化と触れ合う時は、傷つくリスクや相手の正体が分からない不安と向き合わないといけません。


 時にはそれに悪意を持って向かってくる者もあり、自分たちの世界に閉じこもって身を守ろうと考えることはよく分かります。


 しかし、世界がつながりを断つという風潮に対して真逆の方法をとった人々もいます。

 

 文字通り異なる世界の住人が巨大な危機の前に一致団結し、最終的には2つの世界を繋げた王者たち。


彼らこそ「動物戦隊ジュウオウジャー」


1年間かけて人間とジューマンのつながりを描いたジュウオウジャーを振り返ることで、つながりを断つ方向に向かっている世界を見直すきっかけになるんじゃないでしょうか?




 「動物戦隊ジュウオウジャー」は1年を通して「つながり」を強く訴えてきました。


 人と人のつながり、人とジューマンのつながり、生きる人と死んだ人とのつながり

数多くのつながりがジュウオウジャーたちを救ってくれました。


 時につながりは悲劇も生みます。


 かつてバド=ジュウオウバードがジューランドで出会った人間がジューマンに拘束されたことで結果的に命を落としてしまうこともありました。


 しかしこの悲劇は結果的にバドが人間界に来るきっかけとなり、バドが人間界に来たことで大和の父と出会い、この出会いが大和を救うことにつながっていったのでした。


 つながりは傷つくことや悲劇も起こすきっかけになりますが、その悲劇以上の喜びを生み出すことができます。


 それにつながりの悲劇を完全になくすことは無理だと私は考えます。


 なぜなら私たちは意識しているかどうかは別として、すでに多くのものとつながっているからです。


 先のジューランドに迷い込んだ人間とバドとの出会いも、人間界とジューランドがリンクキューブを通してつながっていたからです。


 もし、当時のジューランドが人間界とのつながりを意識し、人間と遭遇することを意識していれば、この悲劇は避けられたかもしれます。


 私たちの世界だってそうです。


 「ジュウオウジャー」で語られているように、国境、人種、宗教など様々なな違いや区切りこそあれ、私たちは同じ星の上に同じ空の下全ての生き物はつながっています。


 私たちがどんなに壁をつくったり入国を拒否したりしても、この事実をなかったことにすることはできません。


 私たちはつながりを断った生き方をするよりも、様々なつながりを持っていることを意識したうえでの生き方を考えるべきだと思うのです。


 つながることによっておこる悲劇よりも、その困難をつながることで超えていくという気持ちで向き合く。そんな世界の方が素敵だと「ジュウオウジャー」の最終回を見て思いました。


 私たちにも彼らのような、世界を変えていく、困難を乗り越えていく力があると信じています。


 もしその思いを笑うような人がいたらこう言い返してやりましょう。


「この星を、なめるなよ!」