なぜ特撮番組を見た子どもは暴力的になると考えるのか
最近友人の結婚や懐妊のニュースをよく聞くようになりました。幸せなお知らせに自分もそんな年になったかあとしみじみ思うのと同時に、お子さんにはぜひ特撮ヒーローものを見てもらいたいとつくづく思っています。だからこそ前々より思っていた「ある噂」の真偽を確かめなければないと思いました!
それは・・・「特撮番組を見た子供は暴力的になる」というもの。
誰が言ったか知りませんが暴力的な番組を子供に見せると暴力的に育つって話を皆さんも聞いたことがあると思います。特撮番組はアクション・爆破など暴力・破壊描写と切ってもきれません。それ故子供向けの番組でありながら、特撮を子供に見せるのに抵抗があるということです。特にヒーローになりきった子供にキックやパンチ、武器代わりの新聞紙なんかでぶっ叩かれたり、一方で自分の子供時代にそんな風に遊んで怒られる。そんな経験のある男性は多いんじゃないでしょうか?
今回はこの特撮が抱える永遠の課題に特撮オタとして一石を投じ、論じてみようと思います。
まず始めに今現役で特撮ヒーローものを見ている子供たちは暴力的なのかについて考えてみたいと思います。そこで今回の記事を書くきっかけにもなったあるネット記事を参考に紹介したいと思います。
戦隊ものの子どもへの影響は?「戦いごっこ」実態について子どもに聞いてみた
いかがでしょうか?今回の記事をまとめてみると
・子供は大人が思っている以上に冷静に戦い遊びをわきまえている。
・役割や段取りを話合っている
・人気のある役などは話合って配役を決めている。
といったことが分かりました。この記事からは、一見暴力的に見える戦いごっこ遊びは、子供たちが彼らなりに話し合って段取りにのっとって遊んでいたことが分かります。しかも、この遊びの中から相手への思いやりや話し合いで物事を決めるといったコミュニケーション力を学べているように思えます。
この例を見る限り子供たちが特撮ものを見ることで暴力的になるとは言い切れなさそうです。また現在週刊ビックコミックスピリッツで連載中、現在話題沸騰中の漫画「トクサツガガガ」特撮オタクのOL・仲村さんを主人公に様々な日常の出来事を特撮的に考えるという特オタ必見の漫画なわけですが、この漫画でも特撮番組と暴力性の問題を題材にしたお話があります。
その話の中で仲村さんは気づきます「その理屈なら特撮を作ってる人たちが真っ先に破壊衝動に走ってなきゃおかしいじゃない」と!現在多くの特撮に関わるスタッフは幼い頃から大人になった現代まで特撮を見続けた人ばかりです。当然ですが、それらの人がプロとしての厳しさは持っていても、暴力的な人たちではありません。
そもそも初代「ウルトラマン」や「仮面ライダー」は視聴率が30~40%もありました。また変身ブームと呼ばれた1970年代は毎日のように特撮番組が放送されていました。その時子供時代を送った人々がその後暴力的になったり犯罪率の高い世代かというとそうではないです。我々が多くの事件をニュースで聞いた際、犯人がどんな人間か報道されますが特撮オタクだったなんてことはほとんどありません。仮にあったとしても、同じように特撮を見た多くの子供たちはきちんと社会生活を送る大人になっています。そんなことは、自分自身の幼少期に夢中になって特撮ものを見た経験があったことを思い出せばすぐわかる話です。
そろそろまとめに入りたいと思います。
結論として子供は特撮番組を見たからといって暴力的になるわけではありません。それは実際の子供たちを調べた記事や我々の経験を思い出すことで証明されます。むしろ子供たちは子供なりになりきり遊びを通して様々なことを学ぼうとしています。だからこそ大人は近くから子供たちの遊びから学ぼうとする姿を見守ってほしいのです。どんな遊びだって子供だけでやっていれば過ちが起こります。その結果だけを見て怒ったり禁止したりすることは簡単ですが大人のエゴなような気もします。
子供が今何に夢中になり、どんな風に遊んでいるのか?特撮であるないしに関わらず、親がしっかり子供に関心を持つことが、将来的に子供が非行や犯罪に走ることがない一番の有効策じゃないでしょうか?
今の特撮は親御さんが見ても楽しめるような懐かしいヒーローが登場したり、大人も楽しめるストーリーにもなっています。親子のコミュニケーションの1つとして特撮を使ってみてるのも、アリだと思います。
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